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現代における自作OSの難しさ 〜自作OSのいまと昔 [第2回]

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前回の記事では、自作OSとは何か、そしてこれまでの自作OSの歴史を紹介しました。しかし、近年になって自作OSを取り巻く状況は大きく変化してきています。そこで今回は、現代における自作OSでは、これまでと比べてどのような点が変化してきたのか、どのような難しい点があるのかについて紹介し、さらにそれらに対する解決策を、筆者の経験をもとに提案してゆきます。 自作OSをとりまく環境の変化 川合秀実氏著「30日でできる!OS自作入門」が出版された2006年頃と比べて、コンピュータをとりまく環境は大きく変化してきました。その変化には、CPUのコア数やビット幅からファームウェアの変遷、そしてデバイスの進化も含まれています。まず最初に、CPUのコア数について着目してみましょう。 CPUコア数の増加 上記の図は、1999年から2019年までにIntelから発売されたCPUのコア数の変化を示したグラフです。ご覧の通り、2004年まではシングルコアのプロセッサしかありませんでしたが、2005年以降、出荷された製品の平均コア数は年々増加の傾向にあります。並列計算向けのXeon Phiプロセッサまで含めれば、2017年には1プロセッサあたり72コアに至るものまで登場しています。(縦軸が対数であることに注意してください) さらに特筆すべきこととして、2016年以降にはシングルコアのプロセッサが発表されていないことが挙げられます。このことは、私たちが日常的に使うほとんどのコンピュータが、今やすべて2つ以上のCPUコアを持っているということを意味します。 自作OSの楽しみ方は人に

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